シェアリングプラットフォームというビジネスモデルは伸びるのか?/ 4384:ラクスル

今日はラクスルの話をとりあげたいと思います。最近だと、のんさんが主演しているCMを見た方も多いのではないでしょうか。そのため、ラクスルという社名は結構馴染んでいるように思います。 

ラクスルの主となる事業は、インターネットによる印刷・広告のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」です 。このサービスは全国の提携印刷会社の保有する印刷機の非稼働時間で印刷することにより、高品質な印刷物を低単価で提供するビジネスモデルです。この印刷事業が会社としてのラクスルの売り上げの90%を占めています。 

もう一つの事業の柱として育てているのが、物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」です。全国の提携運送会社の非稼動時間を有効活用し、高品質かつ低価格な運配送の仕組みを提供しています。この配送事業がラクスルの売り上げの10%を占めています。 

東証マザーズに上場しているラクスとすごく名前は似ていてまぎらわしいですが、ラクスは中小企業向けのクラウドサービスが主力で、株価はコロナ前の最高値を大きく超えて急成長しています。 

本題に戻って、ラクスルは2018/5に東証マザーズに上場。そして2019/8に東証一部へ上場市場変更しています。 

私とラクスルの関わり 

2019/8月にラクスルは東証マザーズから東証一部へ上場市場変更発表で3,740→4,280 (+540)+14%と株価が急激に上昇しました。私はその後の2019/9/10に4,255円でラクスルを購入しました。東証一部へ変更の勢いに加えて、9/12に控えている通期の決算発表が好決算であれば株価の爆上げ&最高値更新も狙えると考えたのです。 

そして、待ちに待った2019/9/12 引け後に通期の決算が発表されました。 

売上高    11,174(百万円)→ 17,168 【前年度比+54%】 

営業利益        93(百万円)→     143 【前年度比+55%】 

なんなんでしょう! これこそ超絶決算というやつですね。売上も営業利益も前年の150%なのです。素晴らしい!私の読みが完璧に当たった成功例とはこの事ですね。 

さて翌日9/13の終値べースで株価がどのくらい上がったかというと。。。 

4,180円→3,920円(▲6%) 

えっ!? 下がるのですか?なんで?売上も営業利益も前年比+50%以上なのに??? 

これって何かの間違い?明日から上がるのかな。。。と思っているうちに株価は順調に下がって行き、9/24には3,500円(9/12終値比で▲16%)まで下がってしまいました。この好条件でこの状態では、もう今後は期待出来ないと考えて9/24に3,545円ですべて売却してしまいました。たった2週間の株主でした。

また出たよ。。。。 好決算なのに下落か。。。 

私はオイシックス・ラ・大地【3182】の2018年度の本決算でも同じ思いを味わっていたのでした。 

オイシックス・ラ・大地は2018の本決算が超絶決算!なんと 

売上高    39,987(百万円)→ 64,026【前年度比+60%】 

営業利益      891(百万円)→   2,312【前年度比+159%】 

売上が1.6倍!になって、営業利益が2.6倍!にもかかわらず1,559円→1,188円【前日終値比▲24%】 

この時は市場コンセンサスに及ばなかったための失望売りといわれていました。市場コンセンサスとは株の分析調査の専門家の業績予想の平均値のことです。簡単に言うと「良い業績だったけど、みんなが良いと思っていたほどは良くなかったね。残念!」って事らしいです。良い業績だとみんなが思っていたけど、それを上回るはるかに良い業績の時に株価は上がるらしいです。なので、賢明な投資家は決算発表日に株を持ち越さないそうです。また決算発表日に持ち越すことを決算ギャンブルと言うそうですが、結局決算が良くても悪くても、決算発表後に株価が上がるか下がるかは分からない事が多いって事ですね。今でも感じますが、こうしたコメントは後から何とか理由付けしたい人が無理やり後付けの理由を考えたように毎回感じます。 

ラクスルについて色々調べてみた 

ラクスルの最近3年間の売上高と営業利益をまとめてみました。売上高は順調な伸びをしており、営業利益も2年連続の黒字を達成しています。売上高の伸びに対して、2018→2019の営業利益の伸びがちょっと鈍化しているように見えます。93→143(百万円)と+50%ではあるのですが、ちょっと気になります。 

四半期ベースで確認してみると、それまで6連続四半期で営業利益が黒字だったのですが、2019の4Qは営業利益は赤字になっています。前年同期比の2018の4Qと比較すると売上高は3235→4820(百万円)と+49%も伸びているのにもかかわらず、営業利益は149→-6(百万円)と大幅にマイナスとなっています。 

2019通期の決算発表で株価が大幅に下落傾向になったのは、2019通期では伸びは大きかったが、4Qの売上高の鈍化と、4Qの営業利益の赤字が嫌われたのでしょうか?ヤバい。。。私もなんだかんだ無理やり後付けの理由を考えていますね。。。 

ラクスルの4Qの営業利益の赤字は、広告宣伝投資や運送事業への投資がかさんだ事と、連休による売り上げ逸失(1~2億と予想)が原因との事です。 

それではラクスルの国内のオンライン印刷市場でのシェアはどうなっているのでしょうか。今までの私のイメージでは、ラクスルは国内のオンライン印刷市場の先駆者で業界ナンバーワンだと考えていました。ところがそれは全く間違った認識でした。TV CMのイメージってすごいなと感じました。 

下図は国内のオンライン印刷市場の2019年度の売上高比率です。堂々の業界1位はプリントパックです。2019年度の売り上げが328億円と1/3のシェアを占めています。CMも有名ですよね。 ”ネットでいんさ~つ♪ プリントパック はやいんさ~つ やすいんさ~つ プリントパックしよ♪” 耳について離れなくなる曲です。 

プリントパックに次ぐ2位のグラフィックは本社が京都にある会社で売り上げが259億円。今回までグラフィックの事は知りませんでした。1位のプリントパックと2位のグラフィックで60%近いシェアを占めています。3位がようやくラクスルで2019年の売り上げが171億円となっています。ラクスルも近年売り上げを伸ばしていますが、まだまだ業界トップは先のようです。 

これからのラクスルはどうなる? 

ラクスルの売り上げの9割を占める国内の印刷事業業界はどうなっているのでしょう。 

2016年のデータによると、国内印刷市場は縮小傾向にあり、10年前と比較して6.8→5.8(兆円)と-15% も減少しています。この原因は出版印刷の減少でなんと2.2→1.1(兆円)と-50%と激減しています。書籍や雑誌が売れないと言われているのも理解出来ます。10年前の半分になっているのですから出版業界も大変な事になっていると思います。それに対してラクスルの市場である商業・事務用印刷市場は3.2→2.9(兆円)-9%と比較的減少幅は小さいです。 

ここ10年で-9%と縮小している商業・事務用印刷市場ですが、この内オンライン印刷市場はたったの3%なのです。3兆円の中のたったの1000億円です。 

今後こうしたインターネットを利用したオンライン印刷市場は広がっていくのは明らかだと思います。その広がりは雪崩のように急にすごい速度で起こるかもしれません。ドイツでは12019年の商業・事務用印刷市場の中でオンライン印刷市場の占める割合はなんと30%もあります。もし日本がそこまで達すると1兆円市場になります。今の10倍の市場規模です。これは期待出来る要因だと思います。 

ラクスルの4Qの営業利益の赤字は、広告宣伝投資や運送事業への投資がかさんだのが理由ですが、この投資は今後拡大するオンライン印刷市場をにらんだ投資と考えると納得出来ます。1兆円市場を考えるとラクスルの業界第1位も不可能ではないでしょう。 

もう一つのラクスルの柱として育つ期待をされている運送事業ですが、今まで注力してきたラストマイルと呼ばれる最終配達(市場規模4兆円)に加えて、ラクスルは都市内&都市間輸送まで領域を広げてきています。これは市場規模は10兆円になります。今の主力のオンライン印刷事業よりも規模は大きいです。もちろん競合相手は多数いますが、アマゾンの配送事業と絡んだりするととても面白い事になるかもしれません。 

最後にラクスルの事業の方向性を考え方として、松本CEOのコメントとして下記があります。 

「印刷業界を調べてみると市場規模6兆円のうち、大日本印刷、凸版印刷の大手2社で1.5兆円ずつ、累計3兆円を占めている。一方で、その下には中小の印刷会社が3万社もひしめいていました。 

当時の全国のコンビニエンスストア店舗数が4万5千だったので、印刷会社がいかに多いかがわかるでしょう。そして各社の稼働率は、40パーセントしかない。印刷業界には大手を中心に1兆円規模の下請け構造ができていて、結果として膨大な非効率が発生していることがわかりました。 

デジタル化が進んでいない伝統的な産業にインターネットを持ち込み、産業構造を変え、世の中に大きなインパクトを与えていきたい。ラクスルはそんな思いで事業を展開しています。」 

こうした今までデジタルによる変革がなかった業界にインターネットによる効率化、新たな需要の掘り起こしを持ち込むのは今現在は非常にはやりの事業になっています。こうしたビジネスモデルで成長した企業はたくさんあります。モノタロウ(3064)、エムスリー(2413)、アズワン(7476)、GA Technologies(3491)。 

ラクスルの今後の飛躍が楽しみですね。現時点では私はノンホルダーですが、今後またお付き合いしたい状況になった時に備えてウォッチはして行きたいと思います。 

 

 

 

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